ジェラール・ディマシオ – Gérard Di-Maccio

「自分が描き出したいのは、未来における過去のイメージ。たとえば1万年後の未来を、2万年後の人間になったつもりで追想した世界。その中で、明るい希望と暗い予感の両方を探ってみたい」 ディマシオは自身の作風をこのように表現しています。

フランス幻想絵画の鬼才として活躍するジェラール・ディマシオ(現在はベルギー在住)の作品は1988年に日本で初めて公開されました。

油彩とは思えぬほど細密に描かれた男女裸像や、極めて写実的な未知の世界を描いた大型の絵画は美術界に衝撃を与え、当時日本に多くの熱狂的ファンを生み出しました。92年から93年にかけて全国8会場を巡回した展覧会では25万人を動員し、日本列島を席巻するフィーバーとなりました。

パリで教授として研究の日々を送りながら絵画を制作していたディマシオは、79年にパリの画廊ギャルリ・ラーで初めての個展を開きました。美術誌などを通し次第に注目を集め、85年には「ダリの夢が実現された」と絶賛されます。

身を削り自我を追い込み苦しんで作品を生み出す精神が当たり前とされていた、それまでの芸術家のライフスタイルとは対照的に、ディマシオは日々の生活を規則的に保ち、テニスをし、バランスの取れた食事、そして十分な睡眠時間を取り制作リズムを作るという画家には珍しいスタイルを取ります。モーツァルトやヘンデルを聴きながら描かれた作品は3000を超えると言われています。

解剖学や建築学も学んだという優れた芸術性と洗練された高度の技法は、レオナルド・ダ・ヴィンチらルネサンスの巨匠の描き方を深く研究して編み出され、美しさと邪悪さが同居するディマシオの画面は、低俗で乱雑な現代社会の写し絵とも言われています。

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