2024/07/05お知らせ
希少技法・蝋(ろう)型成形の新収蔵品7月より公開
蝋(ろう)型成形 cire perdue シール・ペルデュ
ルネ・ラリックは金型を使った複数生産を主体としていましたが、蝋(ろう)型成形法による1点作品の制作も生涯にわたって行っていました。
この技法は金属やブロンズ制作の鋳造法をガラスに応用したラリック独自の成形法で、蝋が原型なので粘土型に精緻で複雑な形・文様を写し取ることができ、できあがった作品の肌合いには独特のデリケートな味わいが生まれます。
何よりもひとつの蝋の原型からひとつしか作品が得られないので、1点制作の貴重な作品として 限られたコレクターからの依頼やラリック自身の展覧会のためにだけ作られました。
カタログレゾネの『蝋型』の項には、当時の資料に基づき1901年から1933年にかけて制作された約200数十種類の作品写真が掲載されています。
しかし、この中で作品の状態が良好なもの、所有者が判明している蝋型作品は極めて少なく、日本の美術館はもとより海外でもコレクションの逸品として垂涎の的であり、大変な稀少価値と高い評価をうけています。
蝋(ろう)型成形の技法
- 蝋で原型をつくり、耐火粘土で覆って鋳型をつくります。
- 窯で熱し、中の蝋を溶かし流します。(脱蝋)
- 鋳型の中にガラス種を流し込み、徐冷後、耐火粘土の型を壊して作品を取り出します。
花瓶など、中が空洞の作品を作る場合 - 耐火粘土の鋳型の内側に、ガラスの厚みに相当する蝋を塗り、さらに耐火粘土で中子(なかご)をつくります。
- 窯で熱し、脱蝋後、ガラスを流し込み、徐冷後耐火粘土の型を壊して作品を取り出します。
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