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2024/08/13お知らせ

本館エントラスのステンドグラスのテーマは「四季」

パリにも東京にもない芸術が、新冠町太陽にあるとお伝えして14年。 このたび他のどこにもない個性的なステンドグラス作品が、またひとつ設置されました。

作品の可視性を高めるための加工をしています

これは当館内に多数の作品が展示されているステンドグラス作家の奈良憲一郎さんの最新作です。タイトルは『もみじの四季とカムイの石』

本館の東側にある造成中の通称「東庭園」は、2022年からもみじの植樹を始め、ことし3300本目を数えました。また4月には、平取のアイヌの方が大切にされていた巨石を設置しました。次の世代の「太陽の森 ディマシオ美術館」むけて準備を始めています。

このステンドグラス作品は、もみじが大きく育った数年後の当館の姿がモチーフ。玄関扉左側は春のもみじ。右側には、秋のもみじ。その足元に巨石を配置しました。近い将来、もみじがこんな太い幹をしっかり伸ばしていることでしょう。

 

さて、奈良憲一郎さんのステンドグラス作品は、当館ではアトリウムの作品や、世界最大の油彩画のある第2展示室の上窓の「七つの宇宙を繋ぐ窓」が、目を引きます。

アトリウムのステンドグラス

ステンドグラス制作は、デザイン画の作成、原寸大の図面・型紙の作成、ガラスカット、さらに組み上げ作業を経て進めてゆきます。

奈良さんが当美術館での展示作品でもっとも心を砕くのは「どこにもないような作品であること。この美術館そのものが世界にどこにもない美術館だから」。ガラスの裁断や鉛線による組み上げ以上に納得のいくデザイン画の制作に時間がかかるそうです。数種類の下絵を持って美術館と何度も検討の上、制作に入ります。

奈良さんは若いころからアカデミックな美術の修行を経て、ガラスの技法を学び、その上で自分の技法を見出しました。例えば「焼き直し」。バーナーワークのように彩色板ガラスに炎をあてて表面にニュアンスを出してみたり、電気炉で納得のゆく板ガラスを制作して作品の一部に使うようなこともしています。色遣いにもこだわりがあり、欧米から取り寄せた彩色板ガラスを使い、素材感や質感なども、こだわりを見せます。

エントランスの『もみじの四季とカムイの石』は、空を表現した青をグラデーションで表現しています。そのグラデーションは当館の「世界観」にも関わることなのですが・・・。ぜひ、ご来館のうえお楽しみください。

 


 

奈良憲一郎 グラスアートファクトリー(札幌市内) https://glassart-f.com/