熊谷守一は花や鳥や昆虫、景色などを、美しい色彩と単純化されたかたちで描く、親しみやすい画風で知られている洋画家です。自宅から外に出ない晩年の生活や、長い髭をたくわえた独特の風貌から熊谷は「仙人」とも称されています。
1880年(明治13)に生まれ、60歳前後で画風を確立し、1977年(昭和52)に97歳で亡くなりました。著書『へたも絵のうち』や作品集が多数刊行され、没後40年を迎えた現在でも根強い人気を誇っています
著書『へたも絵のうち』にあるように、その作品には「ヘタウマ」なイメージがありますが、実は論理的な考えのもと、高度なデッサンや構造の理解の上になりたっています。
1880年 岐阜県に生まれる。
1900年 東京美術学校西洋画選科に入学。
1905年 農商務省・樺太調査隊に加わり2年間船に乗る。
1910年 実母の死を機に帰郷、筏流しの日傭いで6年を過ごす。
1916年 上京して二科展会員となる。
1929年 二科技塾で10年ほど指導にあたる。
1951年 一切の公募展から手を引くが、名古屋では毎年個展を開く。
1964年 パリのダビット・エ・ガルニエ画廊で個展を開く。
1967年 文化勲章を辞退する。
1972年 東京の西武百貨店で回顧展を開く。
1977年 老衰で死去。97才。
1985年 40数年住んだ家のあとに熊谷守一美術館が出来る。
著書 「へたも絵のうち」日本経済新聞社刊
(初版昭和46年11月「私の履歴書」再編)