美術館のご案内-visitor information-

理事長ごあいさつ

ディマシオとの最初の出会いは、1970年パリのギャラリーであった。

偶然入ったギャラリーで、ディマシオの個展が開催されており、初めて見るその作品を前に私はあまりの美しさに衝撃を受けたのを覚えている。

ディマシオ本人とも挨拶をし、いろいろと話をしてみると、画家でありスポーツマンでもある、彼の人柄にも触れることができ、まるで昔からの知人のような気持ちになった。

会場には、大きな絵を含めて10数点の作品が展示されていたが、私は迷わず、全てを売って欲しいと言っていた。
ディマシオも初めての相手に対し快く承諾してくれ、その日が私とディマシオの付き合いの始まりであった。
彼は、作品が出来上がると送ってくるようになり、いつの間にか200点を超えた。

私はディマシオが、パリでどのような評価を受けているかなどには、興味はない。
ただ、私の心に響いた美しい絵の作者を、応援したいと思ったのだ。
そして22年前、世界最大の油彩画を完成させた時、この絵を収める美術館を造り、大勢の人に観てもらうことを、ディマシオに約束した。

いまや、現代フランス作家の中で最も注目する作家は誰かと聞かれたら、私はディマシオと答えるであろう。
それほどディマシオの実力は、フランス国内で高く評価され注目されている。

私はディマシオとの約束を果たすため、北海道新冠町に太陽の森ディマシオ美術館を創設したが、
さらにディマシオの世界を体感していただく為、超大作の壁面と天井、床を鏡張りにした。

より空間が広がり、無限の世界の中に浸っていただきたい。

ディマシオのイメージが限りなく、宇宙と歴史を舞台に空間と時間を超越して展開されるだろうことはわかるが、
どういう結論に向かうかは予測できない。

太陽の森ディマシオ美術館
理事長 兼 館長 谷本 勲

ジェラール・ディマシオからのごあいさつ

大阪で自らの作品の展示会を催している最中に、幸運なことに、初めて日本の文化を目の当たりにする機会に恵まれた。

私にとってはまったく未知のもので、まさかこれが今後、私が数年に渡り理解と知識を肥やすこととなる、貴国の美しく豊かな文化との長く深い関わりの序曲になるとは思いもよらなかった。

実際に、幾度も日本で私の展示会を開かせていただいただけでなく、妻エリカとの結婚式を神道の神前式にて執り行っていただいたことは計り知れない栄誉である。

谷本氏がディマシオ美術館を創設下さったとき、私は日本国民の皆様が私の作品に多大なる興味を持って下さっていることを改めて認識した。

私は日本語という言語を理解できないにも関わらず、我々の文化を結ぶこの関係の広さと深さを完全に感じ取ることができた。

谷本氏、彼の家族、そして彼の友の献身と忠義には感謝してもしきれない。

私が日本にもらった、この誉の、僅かではあるがその一部を恩返しとして私の作品を通じ、ディマシオ美術館を訪れた方々に活気や幸せをもたらすことができればと思う。

ジェラール・ディマシオ
Gérard Di-Maccio