美術館のご案内-visitor information-

理事長ごあいさつ

ディマシオとの最初の出会いは、今から43年前パリのギャラリーであった。

偶然入ったギャラリーで、ディマシオの個展が開催されており、初めて見るその作品を前に私はあまりの美しさに衝撃を受けたのを覚えている。

ディマシオ本人とも挨拶をし、いろいろと話をしてみると、画家でありスポーツマンでもある、彼の人柄にも触れることができ、まるで昔からの知人のような気持ちになった。

会場には、大きな絵を含めて10数点の作品が展示されていたが、私は迷わず、全てを売って欲しいと言っていた。
ディマシオも初めての相手に対し快く承諾してくれ、その日が私とディマシオの付き合いの始まりであった。
彼は、作品が出来上がると送ってくるようになり、いつの間にか200点を超えた。

私はディマシオが、パリでどのような評価を受けているかなどには、興味はない。
ただ、私の心に響いた美しい絵の作者を、応援したいと思ったのだ。
そして15年前、世界最大の油彩画を完成させた時、この絵を収める美術館を造り、大勢の人に観てもらうことを、ディマシオに約束した。

いまや、現代フランス作家の中で最も注目する作家は誰かと聞かれたら、私はディマシオと答えるであろう。
それほどディマシオの実力は、フランス国内で高く評価され注目されている。

私はディマシオとの約束を果たすため、北海道新冠町に太陽の森ディマシオ美術館を創設したが、
さらにディマシオの世界を体感していただく為、超大作の壁面と天井、床を鏡張りにした。

より空間が広がり、無限の世界の中に浸っていただきたい。

ディマシオのイメージが限りなく、宇宙と歴史を舞台に空間と時間を超越して展開されるだろうことはわかるが、
どういう結論に向かうかは予測できない。

太陽の森ディマシオ美術館
理事長 谷本 勲

館長ごあいさつ

2010年、廃校となった新冠町立太陽小学校を再生し、「太陽の森ディマシオ美術館」としてオープン、新冠の雄大な自然に恵まれたこの地に開館以来、多くの方にご来館いただき、心より感謝しています。

当館はフランス幻想絵画の巨匠として世界的にも高い評価を受けるジェラール・ディマシオの作品を常設する、日本で唯一の美術館です。

ディマシオの作品が1988年に日本で初めて公開されると、細密に描かれた男女裸像や未知の世界を描いた大型の絵画が美術界に衝撃を与え、日本に多くのファンを生み出しました。その後88年から94年にかけて全国8会場を巡回した展覧会では65万人を動員し、日本列島を席巻するフィーバーとなりました。

その後ディマシオは、自身の幻想画の集大成となる世界最大の油彩画の制作にとりかかり、94年から3年がかりで世界最大の油彩画を完成させました。高さ9メートル、幅27メートルにおよぶ超大作は1997年にチュニジア政府の要請でカルタゴの大聖堂で公開されて以来、あまりの大きさのために一切公開されることがありませんでした。

実に17年ぶりとなる展示は多くのファンの要望にこたえて、この幻の超大作を日本で初めて公開します。日本の既存の美術館では展示不可能とさえ思われていましたが、閉校の太陽小学校を美術館に再生することにより体育館を大展示室に改装し、日本で唯一この超大作を展示できる施設になることができ、ディマシオの幻想世界の頂点に迫ろうとする試みです。

美しさと邪悪さが同居するディマシオの画面は、低俗、乱雑な現代社会の写し絵とも言われています。レオナルド・ダ・ヴィンチらルネサンスの巨匠たちの描き方を深く研究し、解剖学や建築学も学んだという優れた芸術性と洗練された高度の技法を駆使して描いた大作の数々は、混沌として行き先の見えない現代社会に生きる人の心を刺激することでしょう。

太陽の森ディマシオ美術館
館長 山口 壽一

ジェラール・ディマシオからのごあいさつ

大阪で自らの作品の展示会を催している最中に、幸運なことに、初めて日本の文化を目の当たりにする機会に恵まれた。

私にとってはまったく未知のもので、まさかこれが今後、私が数年に渡り理解と知識を肥やすこととなる、貴国の美しく豊かな文化との長く深い関わりの序曲になるとは思いもよらなかった。

実際に、幾度も日本で私の展示会を開かせていただいただけでなく、妻エリカとの結婚式を神道の神前式にて執り行っていただいたことは計り知れない栄誉である。

谷本氏がディマシオ美術館を創設下さったとき、私は日本国民の皆様が私の作品に多大なる興味を持って下さっていることを改めて認識した。

私は日本語という言語を理解できないにも関わらず、我々の文化を結ぶこの関係の広さと深さを完全に感じ取ることができた。

谷本氏、彼の家族、そして彼の友の献身と忠義には感謝してもしきれない。

私が日本にもらった、この誉の、僅かではあるがその一部を恩返しとして私の作品を通じ、ディマシオ美術館を訪れた方々に活気や幸せをもたらすことができればと思う。

ジェラール・ディマシオ
Gérard Di-Maccio